ドアチェーン



786 名前:初かきこ1/3 投稿日:02/09/07 22:16
私が大阪市内の、或るマンションに住んでいた頃の体験です。

11階建というかなり大型の、独身層狙いのマンションでした。
2DKとは名ばかり…玄関ドアからベランダまで筒抜けの
狭い部屋でしたが、なにしろ駅近。地下鉄御堂筋線で天王寺へ7分、
難波へも13分で出られるという至便物件なのが魅力でした。

マンション生活の経験ある人なら分かるとおもいますが、
ドアには大抵、小さな魚眼のドアスコープとドアチェーンが付いてます。

私はそのマンションにいる当時、ドアチェーンなど
掛けたことがありませんでした。エントランスはオートロック付、
誰もが簡単に入れる建物ではなかったので、
そこまでの必要は感じませんでした。

787 名前:初かきこ2/3 投稿日:02/09/07 22:17
或る日、深夜の1時過ぎぐらいだったとおもいます。
夜更かし好きの私も、すべての灯りを消し布団の中にいて、
そろそろ寝付こうとしていました。

その時、いきなり、ドアの方から“ガチャガチャ”
「鍵」を差し込んで回す音が聞こえてきたのです。
私は心臓が凍りつきそうになりましたが、
すぐさま飛び起き、ドアに走り寄りました。
「ここは707号室ですよ、間違っていませんか!(必死でした)」
「…あれ、階を間違えたらしい」という呟きがドアの外から聞こえ、
まもなく何の物音もしなくなりました。
恐る恐るドアスコープを覗いてみると、かなり年輩の男女の二人連れが
701号室の横にあるエレベーターの方へと、
長い廊下を歩いていく後ろ姿が見えました。
たぶん、女性がこのマンションの住人なのでしょう。
難波辺りで飲んで、酔っぱらっていたに違いないと想像しました。
しかし、どれほど恐ろしかったか…。


788 名前:初かきこ3/3 投稿日:02/09/07 22:19
それから数カ月後の、おなじような深夜でした。
その時も布団の中にいて、ウトウトしかけていると、
また“ガチャガチャ”と、鍵を回す音が聞こえたのでした。
咄嗟に私は飛び起きましたが、前とは状況が違いました。
…ドアが開いたのです。少し開いて“ガチャ”と止まりました。
ドアの細い隙間からは、廊下の灯りが差し込んでいました。

私はドアの所まで走り、声をかけることなく思い切り力をこめて
レバーを引きドアを閉め、中から施錠しました。
そして勇気をだして、ドアスコープを覗いてみました。
しかし…人の気配はありませんでした。
長い廊下の向こうに、エレベーターの扉が見えていただけでした。
ドアが開き、私が飛び起きてドアまで走ったのは
僅かな時間だったと記憶しています。それとも、
驚きの余り私は時間感覚を失っていたのでしょうか…。

あの時、ドアチェーンを掛けていなかったら、
私はどうなっていたのだろう、何を目撃しただろう。
今、思い出してもぞっとします。
関連記事
2017-06-21 20:24 : 怖い話 : コメント : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

PR

カテゴリ

メールフォーム

PR

検索フォーム