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21 名前:モーゼル 投稿日:03/04/19 04:32
大学生時代、学校の近くのアパートに一人暮らししてる友
人(仮にSする)は、俗に言う「霊感の強い奴」だった。
元々俺は幽霊話・怪談話は好きだったが、あまり「霊を見
る」事は無かったと思う。
所がSと付き合い始めてから、そいつの影響か、よく「霊
体験」をする様になった。

俺はその頃Sと本当に仲が良く、家に帰らずにSの家に何日
も泊りっぱなしという事も珍しくなかった。

あれは確か、7月の半ば位だったか。俺の所属するクラス
の殆どの皆が課題を期限内に完成させる事が出来なかった
ので、他の科の奴等は夏休みに入っているにも関わらず、
登校して作品制作に精を出していた。(美大だった為)


28 名前:モーゼル(続き) 投稿日:03/04/19 04:38
その日も帰りが遅くなった事もあり、家に帰るのがかった
るくなってしまったので、Sの部屋に泊めてもらう事にし
た。
工房内にエアコン等ある訳も無いので体中汗臭く、またFR
Pを使っている為に作業服を脱いでも体のあちこちにガラ
ス繊維が付いているので、チクチクして仕方がない。

俺はシャワーを浴びさせてもらう事にした。
先にシャワーを浴び終えたSは、「ちょっと用があるから
出掛けてくる。シャワー浴びてて良いよ。」と言って出て
行ってしまった。

ようやくこの不快感から脱出できる・・!
人の家にも関わらず、着ていた服を適当に脱ぎ捨て風呂場
に入った。
こういう時のシャワー程気持ちの良い物は無い。
昇天するかの様な気持ちの良さを満喫しながら、髪を洗い
始めた。



30 名前:モーゼル(続き) 投稿日:03/04/19 04:42
その風呂場には小さい椅子が置いてあって、それに座り、
下を向く感じで髪を洗っていたのだが、なんとなく違和感
を感じた。
・・・人の気配?

視界には自分の膝、そして爪先・・・と入って来るのだが
、その先にもう一つ(いや、1セットと言うべきか)ある

俺が入った時は、(当たり前だが)先客は中にいなかった

小さい。男の足では無い。女か?
しかも薄~い土色というか、生気の無い色をしている。作
り物の様だ。
・・・で、爪先はこちらを向いている。

一瞬パニくりそうになったが、Sが言っていた事を思い出
した。
「向こうに、こっちが(向こうの存在に)気付いてる事を
悟られては駄目だ。」
その場が風呂場とは思えない程全身を寒気が包み、泣きそ
うになるのを堪え、目を閉じ、必死で気付かないフリをし
て髪を洗い続けた。


33 名前:モーゼル(終) 投稿日:03/04/19 04:47
不意に、その「足」の方から声が聞こえてきた。
こもっていると言うか、丁度隣の部屋のテレビの音が聞こ
える様な感じで。
何を言っているかは聞き取れない。会話の様に聞こえたと
思う。
時間の感覚は既に無い。その「物体」は永遠と俺の前で会
話らしき物を続け、俺は髪を洗い続けている。
その時だ。ふと「会話」が止んだかと思うと、その「物体
」は『バタン!!』と物凄い勢いで風呂場の扉を開け、『ドン!ドン!ドン!』とアパート中に響き渡る程の大きな足音を立てて走り、『ガラララ、バン!!』とまたも物凄い勢いでベランダのドアを開けて出ていった。

俺はもうその場にいる事が出来ず、シャンプーも流さずに
ズボンだけ履いて外へ逃げ出て、Sが帰ってくるまでアパ
ートの門で震えながら座り込んでいた。
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2017-08-25 10:24 : 怖い話 : コメント : 0 :
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