告白



88 名前:巨人大好き 投稿日:03/05/25 19:39
時代は今から三十年以上も前、1969年の東京でのお話

当時の日本、特に東京は学生運動の真っ只中
その頃大学3回生だった健輔ももちろん参加していました

ある秋の日、いくつかの大学のセクトが集まって
大規模なデモが行われることになりました

健輔が集合場所の広場に着いた時には
すでに200人くらいは集まっていました
みんなヘルメットをかぶり、鉄パイプやバットを持っています
滑り台の上では誰かが演説をしています
その熱気はすごいものです

健輔は少し離れた所で
演説を聞くでもなく、その様子を眺めていました


89 名前:巨人大好き 投稿日:03/05/25 19:40
そんな時でした
ベンチに座り、何か本を読んでいる彼女を見たのは

健輔は「こんなときに変わった人だな」と思い
彼女に近づいていき、話し掛けることにしました

彼女はある美大の学生で、健輔と同い年
名前はサナエであること
暴力は反対だが、今の体制には腹が立っていること
三島由紀夫が好きで、彼氏はいない
などといった事を聞き出しました
初めて会ったにしては上出来です
そして彼女は美しかった

それからもこの合同デモは何回か行われ
サナエとも何度か会うことがありました
健輔はだんだんサナエに惹かれていきました

90 名前:巨人大好き 投稿日:03/05/25 19:41
年が明けて、健輔も4回生になりました
そして彼は決断します
サナエに告白しよう、と
しかし、彼はふられるのが恐かった
そうなれば、もう二度と彼女と話をする事もできないのではないか
悩んだ挙句に彼はこうすることにしました

できるだけ冗談ぽく
「サナエちゃん、俺と結婚しない」
これならもしふられても
ジョーダンに決まってるじゃん、ってごまかせるからです

しかし彼女は「いいよ、結婚しよう」と答え
二人はそのまま役所へ
彼らは恋人の期間もなしに夫婦になりました



そして五年後、私が生まれました
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2017-09-06 10:12 : 怖い話 : コメント : 0 :
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